我が青春のEF58

 EF58、この電気機関車は自分にとって特別な存在である、と改めて思った。東海道本線からEF58の荷物列車が消えると、東北本線紀勢本線と姿を消していった。自分にとっては一番なじみのあるのは東海道本線を駆ける荷物列車牽引のゴハチであった。しかし東京地区では団臨で活躍する東京機関区のゴハチも目立つ存在。品川区の81系を筆頭にジョイフルトレインブームの火付け役である14系サロンエクスプレス東京等を牽引する姿が見られた。そして週末トレインマークを掲げて14系座席車による臨時の踊り子号などなどもそのひとつ。当たり前に走っていたゴハチが大打撃を受けた東海道荷物撤退は私が小学5年の頃であった。撤退前にダイヤ改正が入り下関に宮原、米原、浜松、東京、ゴハチが集結してロクニのつなぎとして頑張っていた。あの36号機や踊り子で頑張っていた68号機、129号機も混じっていた。あの頃の記憶は脳裏に焼きついているが久しく思い出すことはなかったのだが。。。
 そして今、その当時東海道で荷物列車を牽引していた浜松顔のEF58が慣れ親しんだ東海道本線を走行している。ごく自然な顔!!その当時のまま生きている!久しく忘れていたあの頃の記憶が今、よみがえった。牽引する車輌は違うものの、正真正銘ゴハチである。感動だ。
 この日はチキ13両という迫力のある編成だが、その当時の自然な表情を作品に残したく、正面アングルをねらった。もちろん編成は入れない。というか入れたくなかった。編成で生きているゴハチの動きを演出するのではなく、ゴハチ自身の迫力ある動きを演出したかった。線路に水平でゴハチをあおる構図でしかもカントがかかって動きを演出したかった。
  そしてゴハチはやってきた。誇らしげに飾り帯と当時浜松で荷物をひっぱっていたEF58157を輝かせて!ファインダーから飛び込んでくる姿は本当に自然体だ。あの頃とまったく変わらない。そして一気にレリーズした。
 過去と現在をファインダー越しに味わった気分だった。

 現像が仕上がり、ルーペでチェックする。ピントが今回はコンティニュアスAF撮影したがすべてのコマでピントが合っていた。ニコンF100の精度は高いと実感。。。
 
 カッコよさと懐かしさ、青春時代にゴハチに出会えてほんとうによかった。

ニコンF100 300f2.8